春に訪れたいポルトガル

春に訪れたいポルトガル
春のリスボン、7つの丘に広がるオレンジ色の屋根とテージョ川の景色

ヨーロッパを旅するなら、春に訪れてみたい国のひとつがポルトガルです。

大西洋に面したリスボン、ドウロ川沿いに広がるポルト。石畳の坂道やアズレージョに彩られた建物、カフェ、食堂、市場など、街を歩くことそのものが旅になります。

夏のリゾートシーズンとは少し違い、春は街や郊外を歩きながらポルトガルを楽しみたい季節です。

今回は、リスボンとポルトを中心に、春だからこそ楽しみたいポルトガルの旅を考えてみます。

なぜ、春にポルトガルを旅したいのか

ポルトガルは南北に長く、リスボンとポルトでも気候には違いがあります。

春は冬から少しずつ気温が上がり、日中に街を歩ける時間も長くなっていく季節です。

真夏ほど強い暑さの中を歩く必要がなく、旧市街の坂道や石畳、川沿いの散策、郊外への小旅行などを旅程に入れやすくなります。

一方で、大西洋の影響を受けるポルトガルでは、春でも天候が変わることがあります。

晴れた昼間は暖かくても、朝晩は肌寒く感じたり、ポルトでは雨に出会ったりすることもあるため、軽い上着や雨への備えは持っておきたいところです。

「暑すぎない時期に、街をよく歩きたい」。

そんな旅に、春のポルトガルはよく合います。

リスボン|坂道の先に、街と川の景色がある

ポルトガルの首都リスボンは、テージョ川沿いの丘に広がる街です。

黄色いトラム、石畳、アズレージョ、オレンジ色の屋根。
写真でよく見るリスボンらしい風景も、実際には坂道を上ったり、細い路地を歩いたりする中で次々と現れます。

春のリスボン、アルファマ地区を走るトラムと石畳の街並み

アルファマ|地図どおりに歩かない旧市街

リスボンらしい街歩きを楽しむなら、まずアルファマへ。

細い路地や階段が入り組み、洗濯物の掛かった住宅、教会、小さな店が続きます。

サンタ・ルジア展望台など高台へ出れば、赤い屋根の向こうにテージョ川が広がります。

観光スポットだけを順番に巡るより、少し道を外れながら歩くほうが面白いエリアです。

バイシャとシアード|街歩きの中心に

初めてリスボンを訪れるなら、バイシャからシアードにかけてのエリアは歩きやすい場所です。

広場、ショップ、カフェ、レストランが集まり、アルファマやバイロ・アルトなど別の地区へ向かう起点にもなります。

朝から観光だけを続けるのではなく、途中でカフェへ入り、コーヒーと甘いものを楽しむ。

そうした時間まで含めて、リスボンの一日を考えたいところです。

夕方は、展望台へ

「7つの丘の街」と呼ばれるリスボンには、街を見渡せるミラドウロと呼ばれる展望台が点在しています。

昼間に訪れるのもよいですが、夕方に予定を入れすぎず、高台へ向かってみるのもおすすめです。

屋根の色やテージョ川の光が少しずつ変わっていく時間は、展望台そのものを観光するというより、リスボンという街の中で過ごす時間になります。

ベレンで、ポルトガルの歴史と甘いものを楽しむ

リスボン中心部とは少し雰囲気を変えたいなら、テージョ川沿いのベレンへ。

ジェロニモス修道院やベレンの塔など、大航海時代につながる建築や歴史を見ることができます。

そして、ベレンまで来たなら外せないのがパステル・デ・ナタです。

老舗のパスティシュ・デ・ベレンをはじめ、リスボンの街ではさまざまな店で焼きたてのナタを楽しめます。

名所を見る。
川沿いを歩く。
途中でナタとコーヒーを楽しむ。

半日ほど時間を取り、急がずに歩きたいエリアです。

リスボンから一日だけ、街を離れてみる

リスボンに3泊、4泊するなら、一日は郊外へ出かけてみるとポルトガルの印象が変わります。

シントラ|宮殿と森の風景へ

リスボンから日帰りで訪れやすいシントラは、丘陵地に宮殿や邸宅が点在する町です。

市街地とはまったく違う緑の多い風景が広がり、リスボンと組み合わせることで旅に変化が生まれます。

ペーナ宮殿など人気の場所を訪れる場合は、移動や入場に時間がかかることも考え、一日に多くを詰め込みすぎないほうがよいでしょう。

カスカイス|大西洋の海辺へ

宮殿より海が見たいなら、カスカイスという選択もあります。

リスボン中心部とは違う海辺の町を歩き、ランチを食べ、そのまま午後を過ごす。

春の晴れた日に、都市観光から少し離れる一日として組み込みやすい場所です。

ポルト|ドウロ川を中心に歩く、北の街

リスボンから北へ移動すると、旅の雰囲気は少し変わります。

ポルトは、ドウロ川沿いの斜面に旧市街が広がる街です。

規模はリスボンよりコンパクトですが、こちらも坂道が多く、川沿いと高台を行き来しながら歩く街です。

春のポルト、ドウロ川沿いのリベイラ地区とドン・ルイス1世橋

リベイラ|まずはドウロ川へ

ポルトへ着いたら、一度は歩きたいのがリベイラ地区です。

カラフルな建物が川沿いに並び、その向こうにはドン・ルイス1世橋が架かっています。

川沿いの店で食事をしたり、橋を渡ったり、高台から旧市街を眺めたり。

数時間歩くだけでも、ポルトの街がドウロ川を中心につくられていることが分かります。

サン・ベント駅|駅そのものを見る

ポルトの中心部にあるサン・ベント駅は、列車を利用しなくても立ち寄りたい場所です。

駅構内の壁を覆うアズレージョには、ポルトガルの歴史や風景が描かれています。

ポルトガルの旅では街の建物や教会でもアズレージョを目にしますが、サン・ベント駅はその魅力をまとめて感じられる場所のひとつです。

リヴラリア・レロ|本より先に、建物を見る

美しい内装で知られるリヴラリア・レロも、ポルトを代表する場所のひとつです。

印象的な階段やステンドグラスなど、書店そのものが見どころになっています。

人気が高い場所なので、街歩きの途中に何となく立ち寄るというより、訪れる時間をあらかじめ決めておいたほうが旅程を組みやすくなります。

橋を渡って、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアへ

ドン・ルイス1世橋を渡った先は、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアです。

こちら側には、ポートワインの熟成庫やセラーが集まっています。

ポートワインについて知り、いくつかのタイプをテイスティングしてみる。

そのあと川沿いへ出れば、対岸にはポルトの旧市街が広がります。

ポルトでは「観光名所を見る時間」と「川とワインを楽しむ時間」を分けすぎないほうが、この街らしい一日になります。

もう一日あれば、ドウロ川の上流へ

ポルトに少し長く滞在できるなら、ドウロ川上流のワイン産地まで足を延ばすという選択があります。

ポルトの街中でポートワインを飲むだけでなく、その葡萄が育つ地域まで見に行く。

川に沿って続く斜面や葡萄畑の風景を見ると、ポルトで飲んだワインと土地とのつながりも分かりやすくなります。

都市だけで完結させず、地方を一日加える。

これはポルトガル旅行をもう少し深く楽しむ方法のひとつです。

ポルトガルでは、名物を一度に食べなくてもいい

ポルトガルの街を歩いていると、食べてみたいものも増えていきます。

パステル・デ・ナタとエスプレッソを楽しむポルトガルのカフェタイム

パステル・デ・ナタ|店ごとの違いを楽しむ

ポルトガル滞在中、何度も目にするパステル・デ・ナタ。

一度だけ有名店で食べるのではなく、リスボン、ポルト、それぞれの街で気になった店に入ってみるのも楽しみです。

エスプレッソと一緒に、街歩きの途中で一つ。

そんな日常的な食べ方がよく似合います。

バカリャウ|一つの料理ではない、ポルトガルの定番

干し鱈のバカリャウは、ポルトガル料理を知るうえで欠かせない食材です。

じゃがいもや卵と合わせるバカリャウ・ア・ブラスをはじめ、店によってさまざまな料理があります。

「バカリャウを食べる」というより、滞在中に違う調理方法を試してみると、ポルトガルの食卓でどれほど身近な食材なのかが見えてきます。

ポルトなら、フランセジーニャも一度

ポルトの名物として知られるフランセジーニャは、肉などを挟んだパンにチーズとソースを合わせるボリュームのある料理です。

軽いランチというより、しっかり食べたい日に選びたい一皿。

二人ならほかの料理と合わせながらシェアしてみるのもよいでしょう。

タスカで、日常の料理を食べる

有名なレストランだけでなく、小さなタスカや食堂へ入ってみるのもポルトガル旅行の楽しみです。

魚料理、肉料理、スープ、米料理など、その日のメニューから一皿選ぶ。

観光のためにつくられた特別な料理ではなく、地元で日常的に食べられている料理に出会うことで、街の印象も変わります。

春のポルトガルでは、服装と靴を少し考えておく

リスボンもポルトも、想像以上に坂道と石畳があります。

街歩きを中心にするなら、見た目だけではなく長時間歩ける靴を選んでおきたいところです。

  • 石畳や坂道を歩きやすい靴を選ぶ
  • 朝晩に羽織れる薄手のジャケットやカーディガンを用意する
  • 晴れた日のためにサングラスや日差しへの備えをする
  • 春の雨に備えて小さな折りたたみ傘などを持つ

特にポルトはリスボンより北にあり、同じ旅行中でも体感が違うことがあります。

「春だから暖かい」と決めつけず、重ね着できる服装にしておくほうが動きやすくなります。

リスボンとポルトは、何泊ずつするか

初めてポルトガルを訪れるなら、リスボンとポルトを組み合わせる旅は分かりやすい選択です。

ただし、短い日程で二都市を急いで巡るより、それぞれで連泊したいところです。

リスボンでは旧市街、ベレン、そしてシントラやカスカイスへの日帰り。
ポルトでは旧市街とガイア、時間があればドウロ地方へ。

郊外まで含めると、どちらの街にも一日では収まりません。

例えば7日前後の現地滞在なら、リスボンを少し長めにしながらポルトを組み合わせる。
さらに日数が取れるなら、どちらかの地方滞在を追加する。

「二都市を見た」という旅より、それぞれの街で朝から夜まで過ごせる日をつくるほうが、ポルトガルの魅力は分かりやすくなります。

春だからこそ、街を歩くポルトガルへ

ポルトガルには、パリやローマとはまた違うヨーロッパの街の時間があります。

リスボンの坂道を歩き、展望台からテージョ川を見る。
カフェでナタを食べる。
シントラまで足を延ばす。

そして北へ向かい、ポルトでドウロ川を渡り、ポートワインを味わう。

観光名所を短時間で巡るだけではなく、街を歩き、途中で休み、食べ、少し遠くまで出かける。

暑さが本格的になる前の春は、そんなポルトガルの旅を楽しむのに似合う季節です。

旅のインスピレーション、
新しい景色との出会いを。

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