光とアートの街、サンタフェへ

SANTA FE / LAND, LIGHT & CULTURE

光とアートの街、サンタフェへ

山々を背景に広がるニューメキシコ州サンタフェの街並み

アメリカ南西部、ニューメキシコ州の州都サンタフェ。

高く澄んだ空の下に広がるのは、赤みを帯びた大地と、土の色をした低い建物。乾いた空気のなかでは光と影の輪郭がくっきりと現れ、街を歩いているだけでも、ほかのアメリカの都市とは少し違う場所に来たことを感じさせます。

建築、アート、食。そこに息づく、いくつもの文化。

サンタフェの魅力は、ひとつの名所ではなく、街全体を包む、どこかとらえどころのない空気のなかにあります。

01 / LIGHT & LAND

陽光と大地の色が織りなす、
サンタフェの景色

サンタフェのアドビ建築に落ちる強い陽射しと影

サンタフェでまず印象に残るのは、その色です。

青い空、乾いた大地、やわらかなベージュや赤褐色の建物。標高約2,100メートルに位置する街には強い陽射しが降り注ぎ、アドビの壁には時間によって異なる陰影が浮かび上がります。

色数は決して多くありません。それでも、景色はどこか鮮明です。

夕方になると、低くなった太陽が土壁を暖かな色に変え、遠くにはサングレ・デ・クリスト山脈の稜線。高い建物の少ない街だからこそ、空の広さもいっそう際立ちます。

写真を一枚見ただけでも「サンタフェらしい」と感じるのは、この土地ならではの光と、大地につながるような街の色があるからなのでしょう。

02 / CULTURE

サンタフェを形づくった、いくつもの文化

サンタフェの風景を見ていると、その背景にある歴史にも自然と興味が向きます。

現在のサンタフェ一帯には、スペイン人が到来する以前からテワの人々に関わる集落がありました。17世紀初頭、その土地にスペイン人による都市が築かれ、その後はメキシコ領、アメリカ領へ。長い時間をかけて、さまざまな文化がこの街を形づくってきました。

その時間を今に伝える場所のひとつが、ダウンタウンから少し歩いた一角にあるSan Miguel Chapelです。サンタフェ成立期の1610年ごろに起源を持ち、アメリカ本土でも最古級のカトリック教会建築として知られています。

街で目にする建築や工芸、ジュエリー、料理。ふと交わす会話のなかにも、この土地に受け継がれてきた文化が見えることがあります。

いくつもの文化が、それぞれの輪郭を残しながら重なっている。その積み重なりが、今のサンタフェを形づくっています。

03 / ARCHITECTURE

素朴で印象深い、サンタフェの建築

アドビの壁に映えるサンタフェのターコイズブルーの扉

丸みを帯びた土壁に、平らな屋根。壁から突き出した木の梁〈vigas〉や、建物の内側につくられた中庭。

サンタフェを象徴する建築は、プエブロの伝統的な建築に、スペインからもたらされた技術が重なりながら発展してきました。歴史地区では、こうした建築の特徴を受け継ぐ景観が今も大切に守られています。

一つひとつは、とても素朴。

けれど同じトーンの建物が通りに連なり、そこに木々や青空が加わると、街全体がひとつの風景として見えてきます。

豪華な装飾ではなく、土地の素材や気候から生まれたデザイン。その控えめな美しさも、サンタフェを歩く楽しみのひとつです。

04 / ART

アートのある日常へ

サンタフェの街で見られる印象的な現代彫刻

サンタフェでは、街を歩く時間そのものが、アートとの出会いになります。

その代表が、アドビの建物にギャラリーが連なるCanyon Road。半マイルほどの通りに100を超えるギャラリーが集まり、絵画や彫刻、陶芸、ジュエリーなど、伝統的な表現から現代作品まで幅広く触れることができます。

ダウンタウンにはGeorgia O’Keeffe Museumも。

ニューメキシコの風景に深く惹かれ、後半生をこの地で過ごしたジョージア・オキーフ。その作品を見たあとにサンタフェの外へ目を向けると、大地の色や山の形まで少し違って見えてくるかもしれません。

アートが特別なものとして切り離されるのではなく、街の日常のなかに自然と存在している。それも、サンタフェらしさのひとつです。

05 / NEW MEXICAN FOOD

この土地ならではの、赤と緑のチリ

ニューメキシコの食文化を象徴する赤と緑のチリ

サンタフェで食事をすると、一度は耳にする言葉があります。

“Red or green?”

ニューメキシコ料理に欠かせないのが、赤と緑のチリ。エンチラーダやチレ・レジェーノなどを注文すると、どちらのチリソースにするか聞かれることがあります。

決められなければ、答えは “Christmas”。

赤と緑、両方です。それほどまでに、チリはニューメキシコの食文化に深く根づいています。

グリーンチリのシチュー、赤いチリをまとったエンチラーダ、ブルーコーンを使った料理。プエブロの食文化に、スペインやメキシコからの影響が重なってきたこの土地の料理にも、サンタフェが歩んできた時間が映っています。

旅先でしか出会えない味を探すなら、まずはこの赤と緑から始めてみたいところです。

06 / STAY

この土地らしさに泊まる

サンタフェで泊まるなら、ホテルそのものにも、この街らしさを求めてみたい。

土色の壁、木の梁が渡された天井、中庭を囲む客室。土地の建築や素材を取り入れた宿を選ぶことで、滞在そのものがサンタフェを知る時間になります。

歴史地区に泊まり、朝の静かなPlazaへ出かけるのか。

あるいは市街地から少し離れ、山や乾いた大地を眺めながら過ごすのか。

どこを選ぶかで、サンタフェで過ごす時間の表情も変わります。

07 / NEW MEXICO

ニューメキシコの風景

乾いた大地と岩山が広がるニューメキシコの風景

サンタフェを起点にすると、街の外にはさらに大きなニューメキシコの風景が広がっています。

北へ向かえばTaos。西へ向かえばBandelier National Monument。断崖や渓谷のなかに、この地域で暮らしてきた人々の住居跡が残り、サンタフェから車で約1時間の距離にあります。

さらにAbiquiú方面へ向かえば、赤い岩山と広大な空が続くGhost Ranchへ。

Georgia O’Keeffeが惹かれた風景として知られるこの場所では、サンタフェの街で見たアートと、ニューメキシコの大地がひとつにつながっていきます。

サンタフェだけでも十分に魅力的。

けれど街を離れてみることで、この場所の建築やアートが、どんな自然のなかから生まれてきたのかも見えてきます。

08 / AFTER THE JOURNEY

旅の終わりに残るもの

旅のあとに心に残るのは、訪れた場所だけではありません。

朝の澄んだ空気。
時間とともに色を変える街並み。
ふと足を止めた、ギャラリーの作品。
旅の途中で交わした、何気ない会話。
料理を彩る、赤と緑のチリ。

そして、夕方になるにつれて少しずつ色を変えていく大地。

サンタフェは、見どころの数だけでは語りにくい街です。

この土地を離れたあとに残るのは、きっとあの乾いた空気と光の色でしょう。

TRAVEL NOTES

サンタフェを旅する前に

旅程を考えるときに知っておきたい、基本的な目安をまとめました。

アクセス

日本からは米国内都市で乗り継ぎ、Santa Fe Regional Airport(SAF)またはAlbuquerque International Sunport(ABQ)へ。

SAFからダウンタウンまでは車で約20分。ABQからサンタフェまでは車やシャトルで約60分が目安です。

日数の目安

サンタフェの街を中心に楽しむなら3泊前後。

BandelierやGhost Ranch、Taosまで組み合わせるなら、4〜5泊ほどあると移動だけで慌ただしくなりにくいでしょう。

現地での移動

PlazaやRailyard周辺は徒歩で巡りやすいエリアです。

一方、郊外まで足を延ばす日は車があると便利。街中ではUberやLyftも利用できます。

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